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事業計画
2022年度事業計画概要(2022年度事業計画書より抜粋)
Ⅰ.運営の方針 |
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1.業界を取り巻く環境変化と今後の動向 |
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日本の総人口に占める高齢化率は2020 年現在28.8%で、中期計画の2025年ではさらに高齢化が進み30.0%と予測されている。依然として世界で最も高齢化が進んだ国となる。(令和3年版高齢社会白書)
わが国はこれまで、社会保障制度の充実(国民皆保険、フリーアクセス等)と質の高い医療サービスの安定的な提供により長寿社会を実現してきたが、現在では下記の社会情勢の中で多くの課題を抱えている。 |
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これらの課題への対応として、健康・医療・介護分野のデータやICTを積極的に活用することにより、国民一人ひとりの健康寿命の延伸や国民の利便性向上を図るとともに、多忙を極める医療や介護現場において、サービスの質を維持・向上しつつ、その効率化や生産性の向上を含めたあらゆる手段を講じることにより、社会保障の持続可能性を確保することが求められている。特に、2020年に発生したCOVID-19のパンデミックは、我々の社会生活に大きな影響をもたらし、デジタル化社会への転換を加速する要因ともなった。政府は、デジタル社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進する新たな司令塔として、デジタル庁を2021年9月1日に創設した。 2020年6月に厚生労働大臣が提示した「データヘルスの集中改革プラン」では、オンライン資格確認等のシステムを最大限活用しつつ、以下の3つのACTIONに集中的に取り組むとされた。 ACTION1:全国で医療情報等を確認できる仕組みの拡大 ACTION2:電子処方箋の仕組みの構築 ACTION3:自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大 その実現に向けて、厚生労働省が2021年6月のデータヘルス改革推進本部で策定した「データヘルス改革に関する工程表」では、マイナポータル等を通じて自身の保健医療情報(PHR:Personal Health Record)を把握できるようにする(ACTION3)とともに、患者本人が閲覧できる情報(健診情報やレセプト・処方箋情報、電子カルテ情報、介護情報等)を全国の医療機関や介護事業所でも閲覧可能とする仕組み(ACTION1)を整備することにより、国民が生涯にわたり自身の保健医療情報を把握できるようになり、医療機関や介護事業所においても、患者・利用者ニーズを踏まえた最適な医療・介護サービスを提供することが可能になるとしている。PHRについては、安全・安心な民間PHRサービスの利活用の促進に向けて、第三者認証制度等の運用を2023年度に開始するとしている。 工程表によると、健診・検診情報については、2020年6月の乳幼児健診・妊婦健診、2021年10月の特定健診に続き、自治体検診は 2022年度早期、事業主健診(40歳未満)は2023年度中から、電子カルテ情報については、検査結果情報・アレルギー情報、告知済傷病名、画像情報は 2024年度から、介護情報は2024年度以降、順次マイナポータルで閲覧可能としている。電子処方箋情報については、2022年夏から閲覧可能としていたが、その後、電子処方箋(ACTION2)の運用開始時期が 2023年1月に延期となった。なお、これらの実現に向けては、マイナンバーカードの普及とそれを用いたオンライン資格確認の普及が鍵となると見られている。また、医療機関間における情報共有を可能にするための電子カルテ情報等の標準化については、2022年度中に全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤のあり方をデジタル庁とともに調査検討し結論を得るとしている。 2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太方針2021)」および「成長戦略フォローアップ」では、デジタル庁を核としたデジタル・ガバメントの確立、民間の DXを促す基盤整備を加速し、全ての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会を構築するとし、データヘルス改革に関しては下記の内容(要旨抜粋)が記されている。
標準化された電子カルテ情報の交換を行う手段としては、汎用的なWeb技術を用いアプリケーション連携が容易とされるHL7FHIRを用いてAPIで接続する仕組みが検討され、まずは、①診療情報提供書、②退院時サマリー、③処方情報、④健康診断結果報告書について、HL7FHIR記述仕様の標準規格化が進められた。また、「次世代健康医療記録システム共通プラットフォームコンソーシアム(NeXEHRSコンソーシアム)」等において、それらの実装に向けた具体的な検討が進められている。 介護分野においては、サービス提供事業所間における情報連携と共に、介護系ビッグデータによる介護の質の評価と科学的介護が推進されていき、NDB等の医療系ビッグデータとの紐づけによる更なる利活用も調査研究されている。将来的には、PHRにより、個人の健康・医療・介護に関する情報を自分自身で生涯にわたって管理・活用することによって、自己の健康状態に合った優良なサービスの提供を受けられることが期待されている。 一方、デジタル庁では 2025年度末に向けてガバメントクラウド等の国の共通基盤の整備とその活用について検討が進められている。2021年10月に開催された「マイナンバー制度および国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ」にて提示された「国と地方の真のデジタル化に向けて目指すべき姿(2025年)」では、連携基盤である公共サービスメッシュを中心に、戸籍・住基および国や自治体の各システムや民間タッチポイント等が相互連携する将来の全体図が描かれ、PHR等とも強く連携する可能性があり、厚労省における検討とあわせて、デジタル庁における全体図の実現方式や時期等の検討状況にも十分に配慮して、対応を進める必要がある。 疾患の予防、診断、治療に使用されるプログラム医療機器(SaMD:Software as a Medical Device)については、厚生労働省が2021年3月に「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」を公表した。さらに、2021年6月に閣議決定した「規制改革実施計画」の「最先端の医療機器の開発・導入の促進」の中で、一元的な事前相談が可能な体制の整備、プログラム医療機器該当性基準の明確化と早期承認・実用化に向けた体制強化を行うとしている。また、AIを搭載したような承認後にも継続的なアップデートが想定されるプログラム医療機器については、一部変更承認申請の要否等に関するルールについても明確化するとしている。プログラム医療機器として承認、保険収載される事例が出てきているが、保険診療上の評価の方向性については、引き続き検討が進められている。この様に、プログラム医療機器のルールも整備されつつある。法規制上、医療機器に該当しないヘルスソフトウェアの開発ガイドラインとしては、業界自主ルール(GHS開発ガイドライン)が運用されているが、関連する国際規格や上記の「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」等を踏まえた見直しが必要となる可能性がある。 新たにデジタル庁が発足しデジタル社会の形成が加速する中で、健康・医療・介護分野でのDXが強力に推進されることが期待される。データ利活用におけるルールの明確化や標準化、個人情報保護の在り方、サイバーセキュリティなど、重要課題への対策も必要であり、保健医療福祉情報システムを担うJAHISへの期待はますます高まるものと考える。 このような環境変化を踏まえて策定した「中期計画2025」の達成に向け、下記の運営方針の下に2022年度の業務を遂行する。 |
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2.中期計画2025の運営方針 |
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1)2030ビジョンで描くヘルスケアICTの実現に向けた推進【国民・ユーザ向け】 健康・医療・介護のデータを利活用する「データ循環型社会」に向けて、政策に対する 戦略的発信を行い、それに伴う標準類・実装ガイドの整備と各会員への普及を推進する。 |
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2)JAHIS参画価値の追求、健全な市場の維持・発展【会員向け】 会員共通の課題対応を迅速に行い会員サービスの充実を図る。また、ヘルスケアICT 市場の把握と海外を含めた新規市場の調査・活動支援を行い、活動領域の拡大とともに 会員満足度の更なる向上を図る。 |
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3)JAHISブランドの向上、永続的な運営基盤の確立【運営基盤】 業界の代表として積極的に対外活動に参画・提言するための体制強化を図り、 JAHISブランドの向上に努める。また、コンプライアンス体制の維持・強化を含め 運営基盤の強化を推進するとともに業界に必要な人材、JAHIS運営に必要な人材の 育成と確保を行う。 |
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Ⅱ.事業の概要 |
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1.運営方針毎の主要推進施策 |
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1)2030ビジョンで描くヘルスケアICTの実現に向けた推進 |
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(1)2025年に向けた「健康・医療・介護分野におけるデ-タ利活用等の推進」のた めの行政のデータヘルス改革に関連する会議に積極的に参画し、JAHISとして の提言を行い、他の関係団体との連携も視野に入れながら、政策に反映させるよう に努める。 (2)各省庁・関係団体における各種連携事業やデータ利活用事業に対し、共通基盤整備 やデータ・用語等の標準化普及施策等に積極的に対応し、実装の推進に努める。 (3)国内、国際の動向や最新状況に基づき、JAHIS標準類の策定、各種マスタの整 備を戦略的かつ計画的に進める。 (4)JAHIS標準の国際標準化提案を行うとともに、標準化を進める上で参考となる 国際規格、国際標準、体制・運用方法の調査を踏まえて、我が国における標準化の 在り方について検討する。 |
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2)JAHIS参画価値の追求、健全な市場の維持・発展 |
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(1)診療・介護報酬改定等、JAHIS会員共通の課題に対して、会員へのタイムリー な情報提供および関係機関との折衝等、迅速な対応を行う。 (2)JAHIS会員が共通で必要とする情報に関しては、セミナー・勉強会を積極的に 企画・開催し、会員の技術力向上を図る。また、会員向けHP等の内容拡充を図り、 情報発信を強化する。 (3)売上高調査、市場予測等の調査事業を継続するとともに、海外を含めた新たな市場 や技術分野の動向を計画的に収集し、会員に有益な情報を提供する。 (4)会員向け意識調査の結果に基づくJAHIS参画価値の再評価と活動の見直しによ り、会員および参加委員の満足度向上の施策を推進する。 (5)新たな事業領域や地域に依存しない工業会活動を検討することにより、新規会員の 参画を推進する。 (6)災害や感染症などによる社会環境の変化に応じて、参加者の利便性と実効性を考慮 したリモート・ハイブリッド形式なども活用し、会員の事業発展・維持のために必 要な情報を提供する。 |
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3)JAHISブランドの向上、永続的な運営基盤の確立 |
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(1)事業企画推進室を中心として、各省庁、関係団体が実施する業界にとって有益な事 業(調査研究、PoC等)には、主体的に参画・連携し、提言を積極的に行える体 制強化を図る。 (2)現在の体制では解決出来ない複数の部会に跨る新たな課題においては、戦略企画部 を中心として、柔軟な体制作りを行い、課題解決に向けて活動を推進する。 (3)コンプライアンス委員会を中心として、競争法コンプライアンスに関するPDCA を回し、コンプライアンス活動の定着と強化を図る。 (4)JAHIS運営におけるICT基盤を刷新し、リモート化の推進など運営の効率化 と管理体制の強化を図る。 (5)多様性を尊重した幅広い人材の育成・登用、会員企業を退職した有識者が活躍でき る仕組みにより活動基盤の強化を図る。 (6)現在実施している教育に加えて、ヘルスケアICTの最新動向や会員の要望に応じ て新規テーマの教育を企画し、人材の育成を行う。 |
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2022年度事業計画書(PDF版) | |||||||||||||||||||||||||
2021年度事業計画書(PDF版) | |||||||||||||||||||||||||
2020年度事業計画書(PDF版) | |||||||||||||||||||||||||
2019年度事業計画書(PDF版) | |||||||||||||||||||||||||
2018年度事業計画書(PDF版) | |||||||||||||||||||||||||
平成29年度事業計画書(PDF版) | |||||||||||||||||||||||||
平成28年度事業計画書(PDF版) | |||||||||||||||||||||||||
平成27年度事業計画書(PDF版) | |||||||||||||||||||||||||
平成26年度事業計画書(PDF版) | |||||||||||||||||||||||||
平成25年度事業計画書(PDF版) |
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