会長挨拶

健康で豊かな国民生活を保健医療福祉情報システムが支えます

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わが国の65歳以上の人口割合は2025年に約30%、2060年には約40%に達すると見られており、世界に先駆けて超高齢社会に突入しました。医療を取り巻く環境は大きく変化しています。高齢化の進展や疾病構造の変化(生活習慣病の増加)に伴い、「病院完結型医療」から地域全体で切れ目なく必要な医療を提供する「地域完結型医療」への転換が求められています。
 
 今後は、単に治癒や救命延命を目的とした医療ではなく、病気と共存しながらQOL(Quality of Life)の維持向上を目指す医療に変わっていきます。そのため、「地域完結型医療」の発展形として、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の実現を、国をあげて目指しています。
 
 2015年6月の「日本再興戦略」および「世界最先端IT国家創造宣言」の改訂では、2020年までの5年間を「集中取組期間」として定め、医療等分野におけるICT化を徹底することが示されました。地域における医師不足・偏在、医療従事者の負担増、超高齢社会の到来による医療・介護需要の増大といった課題を踏まえ、国民が長く健康で自立して暮らすことができる社会(健康長寿社会)を実現することが宣言されています。
 
 地域を超えた医療情報利活用基盤の構築を目指し、データやシステム仕様の標準化、運用ルールの検討やシステム関連コストの大幅な低廉化等による費用対効果の向上を図りつつ、2018年度までに医療情報連携ネットワークの全国への普及・展開を図ることが求められました。医療・健康情報等の各種データの活用による、個々のライフスタイルに合わせた適切かつ継続性のある健康増進や発症・重症化予防の取組みも推進されています。地域医療情報連携ネットワークの全国への普及や電子カルテ導入機関の拡大、さらには「健康寿命の延伸」に向けた新規イノベーションの創出等の各施策では相互運用性を担保したヘルスケアICTが非常に重要であり、これを担う本工業会への期待は益々高まっています。
 
 また、2016年5月の改訂では、個人の生涯にわたる医療や健康等の情報を経年的に管理・活用するPHR(Personal Health Record)のあり方を検討することも示されました。ウェアラブル端末の普及、健康・予防サービスに対する個人の嗜好の高まりや多様化等を背景に、サービス需要は今後飛躍的に増大していくものと考えられます。レセプトや健康診断のデータに加えて、ウェアラブル端末等のIoT/IoE によるデータ収集を活用すれば、よりリアルタイムで個人の状況に応じた、効果的なサービス提供が可能になります。
 
 本工業会は、保健医療福祉情報システムに関する標準化の推進、技術の向上、品質及び安全性の確保を図ることにより、保健医療福祉情報システム産業の健全な発展と健康で豊かな国民生活の維持向上に貢献することを目的に設立されました。ICTを利活用して「健康で安心して暮らせる社会」を実現できるよう、会員一同、一層の努力を積み重ねていく所存です。
 
 ご支援ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

 
 

一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会

 会長 山本 正已


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