会長挨拶

 

 皆さんご存じのとおり、世界に先駆けて超高齢社会を迎えた日本では、少子高齢化や医療費の逼迫など、様々な課題が顕在化し生活に影を落としています。我々が貢献してきた保健医療福祉の分野でも、これらの課題を解決することが急務となっています。

 政府では、データヘルス改革として、国民一人一人が健康情報を主体的に管理・活用し、医療従事者と連携しながら、予防・治療・介護を一体的に行うことで、健康寿命の延伸と医療費の適正化を図るデジタル社会を強力に推進されてきました。2022年6月に閣議決定された「骨太方針2022」では日本の医療分野の情報のあり方を根本から解決するための取り組みとして「医療DX令和ビジョン2030」が盛り込まれ、現在は医療DXの実現に向けて「医療DXの推進に関する工程表」に基づいた3つの柱を中心に取り組みが進められています。

 

  一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は、健康で豊かな国民生活を支える保健医療福祉情報システムの実現を目指して、「データ循環型社会の実現」をコンセプトに「2030ビジョン」を掲げ、その中で、健康・医療・介護分野のデータを蓄積・循環し利活用することで、データ提供者である国民が利益を享受し、「健康で安心して暮らせる社会」を描き邁進してきましたが、これは政府が進める取組みと相まっていると考えております。JAHISは今年で設立30周年を迎えますが、Beyond2030という新たな未来を目指して更なるビジョンを策定していきたいと考えております。

 データヘルス改革・医療DXは単なるシステムの更新ではなく、国民一人一人が、自分の健康情報を主体的に管理し活用していくといった、データを起点とした考え方であり、その点では大きな転換期とも言えます。「データヘルス改革・医療DX」を成功させ、日本の社会課題解決の一助となれるよう、今後も各省庁、学会等の関係団体と連携し、共通基盤整備、標準化の推進など積極的な対応を行ってまいります。

 皆様の一層のご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 
 
一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会
会 長  長堀 泉
 

 

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