JAHIS技術文書23-102
 

JAHIS ePath実装ガイド Ver.1.0

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ま え が き
 
 電子クリニカルパス標準データモデルの開発と利活用を目的として、2018年度から2020年度にかけて国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)事業「クリニカルパス標準データモデルの開発および利活用(ePathプロジェクト)」が実施された。2021年にはその成果として「ePathのデータ要素と構造に関する仕様書」が日本医療情報学会(JAMI)標準(JAMISDP04)として公開されている。
 
 ePathでは「アウトカム-観察項目-タスク(Outcome-Assessment-Task: OAT)」の組(OATユニット)を基本単位としてパスデータが記述されており、それをもとにePathの構造の記述様式が定義されている。OATユニットには、どこの施設でも設定する最低限必要なアウトカムと観察項目を標準化しセット化した「BOM(Basic Outcome Master)」(日本クリニカルパス学会監修)を採用している。本仕様の普及推進に向けて、電子カルテシステムベンダーにはePathの仕様に準拠した電子クリニカルパスシステムの開発が期待されている。
 
 そこで、一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)では、各電子カルテシステムベンダーが上記のJAMI標準(JAMISDP04)に対応したePathの実装を進める際の参考となる実装ガイドを作成するため、電子カルテ委員会の下に「ePath実装ガイド策定WG」を立ち上げて検討を行い、「JAHIS ePath実装ガイドVer.1.0」を策定した。検討に当たっては、「ePathのデータ要素と構造に関する仕様書」(Ver.1.0.1)をベースとした。
本ガイドにより、ePathの普及が促進され、電子カルテシステムベンダーの間での相互運用性のある電子クリニカルパスシステムの構築、標準化されたパスのデータの蓄積と解析によるクリニカルパスの最適化、更には医療安全の向上と医療の効率化に多少なりとも貢献ができれば幸いである。

2023年10月

一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
 医療システム部会 電子カルテ委員会


目 次

1.     はじめに... 1
2.     主な用語... 2
3.     クリニカルパスおよびePathの概要.. 4
4.     電子クリニカルパスシステムが備えておくべき推奨機能.. 6
5.     ePathメッセージの概要.. 8
6.     ePathのデータ構造と要素の実装... 9
 6.1. パス識別情報.. 10
 6.2. 医療機関情報.. 16
 6.3. 患者基本情報.. 20
 6.4. 入院情報... 26
 6.5.  パス適用情報.. 41
  6.5.1. パス適用基本情報... 41
  6.5.2. 病日・イベント情報.. 47
  6.5.2.1. OATユニット... 51
   6.5.2.1.1. OATユニット識別... 52
   6.5.2.1.2. アウトカム... 55
   6.5.2.1.2.1. 観察項目... 62
    6.5.2.1.2.1.1. 観察項目実施... 68
    6.5.2.1.2.1.2. タスク... 73
   6.5.2.1.2.2. 評価... 84
  6.5.2.2. 総合評価... 89
付録―1.コード体系OID一覧... 93
付録―2.参考文献... 94
付録―3.作成者名簿.. 95
 



 

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