JAHIS標準15-002

JAHISデータ交換規約(共通編)Ver.1.1

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は じ め に 

(1)背景
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)では、医療情報のデータ交換を促進するために、従来HL7 V2.5を利用したデータ交換規約を制定する活動を行ってきた。1999年10月に最初のデータ交換規約を制定して以来、現在までに以下の9つの領域において制定してきた。
・臨床検査データ交換規約
・処方データ交換規約
・放射線データ交換規約
・生理検査データ交換規約
・病名情報データ交換規約
・内視鏡データ交換規約
・注射データ交換規約
・病理・臨床細胞データ交換規約
・放射線治療データ交換規約
各データ交換規約は、各領域の委員会やワーキンググループにて、個々の領域の事情に応じて規約の制定・改定が行われてきた。
近年では、各領域を跨いでデータ交換を行うことが一般的となって、領域間共通の規約が求められるようになってきた。そのため、各データ交換規約の共通内容を整理した本規約の制定を行った。
 
(2)制定の基本方針
本規約の制定では、各データ交換規約で重複している内容を記載し、その使い方の共通指針を整理することを基本方針とした。具体的には下記内容である。

 

  1. HL7の仕様・用語の説明
   各データ交換規約での下記説明を対象としている。
   ・HL7概要
   ・主な用語
   ・HL7メッセージ、フィールド、メッセージ区切り文字、データ型
  1. データ交換規約で制定するテーブルの命名規則    各データ交換規約で定義した固有のテーブルに対し、統一的な命名規則を定義した。
  2. 患者基本情報および入退転(ADT)のメッセージ構文    患者基本情報および入退転は各データ交換規約の領域で共通に利用されるため、本規約で定義した。
  3. 共通利用するセグメントの説明
   各データ交換規約で共通的に利用され、かつ、利用方法に差異が少ない下記セグメントを記載した。
    ・AL1
     ・ERR
     ・EVN
     ・IN1
     ・MSA
     ・MSH
     ・NTE
     ・PID
     ・PV1
     ・QAK
     ・RCP
     ・TQ1
上記セグメントの各フィールドに対してJAHISデータ交換規約で共通なるOption指定を「Japan値」として制定した。
  1. 患者基本情報および入退転(ADT)サンプルメッセージ

(3)今回の改定内容
今回の改定では、外部有識者から指摘された不適切な日本語訳の修正および他のデータ交換規約で共通的に使用されているIN1、QAK、RCPの各セグメントを追加した。
 
本規約は各データ交換規約の共通内容のみを記載しているため、各領域のシステム実装にあたっては、その領域のデータ交換規約を併読する必要があることを留意いただきたい。

2015年7月
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
医療システム部会 相互運用性委員会


目 次

1.    はじめに.. 1
2.    使用しているHL7について.. 3
 2.1.     概要... 3
 2.2.     メッセージ... 4
  2.2.1.      メッセージならびにメッセージ構成... 4
  2.2.2.      HL7メッセージコーディング及び処理規則... 4
  2.2.3.      文字コードのサポート... 5
 2.3.     フィールド... 8
  2.3.1.      (セグメント内の)位置... 8
  2.3.2.      最大長... 8
  2.3.3.      データ型... 9
  2.3.4.      オプション指定... 9
  2.3.5.      反復... 9
  2.3.6.      表... 10
  2.3.7.      ID番号... 10
  2.3.8.      名称... 10
 2.4.     メッセージ区切り文字... 11
  2.4.1.      テキストフィールドでのエスケープシーケンスの使用... 11
  2.4.2.      エスケープ文字の例外的解釈... 12
 2.5.     データ型... 14
3.    主な用語.. 101
4.    JAHIS標準テーブル.. 102
5.    本規約の対象範囲.. 103
 5.1.     対象範囲... 103
6.    メッセージ構文.. 105
 6.1.     情報照会(QBP/RSP) 106
  6.1.1.      QBP 患者基本属性照会メッセージ イベント(Q22) 106
  6.1.2.      RSP 患者基本属性応答メッセージ イベント(K22) 106
  6.1.3.      QBP 患者基本属性及び所在照会メッセージ イベント(ZV1) 107
  6.1.4.      RSP 患者基本属性及び所在応答メッセージ イベント(ZV2) 108
 6.2.     患者情報通知(ADT/ACK) 109
 6.3.     ADT/ACK 入院/来院の通知メッセージ イベント(A01) 110
  6.3.1.      ADT/ACK患者転送メッセージ イベント(A02) 111
  6.3.2.      ADT/ACK退院/来院終了メッセージ イベント(A03) 112
  6.3.3.      ADT/ACK 患者の登録メッセージ イベント(A04) 114
  6.3.4.      ADT/ACK 患者情報の更新メッセージ イベント(A08) 115
  6.3.5.      ADT/ACK入院/来院の通知(A01)の取消メッセージ イベント(A11) 116
  6.3.6.      ADT/ACK患者転送(A02)の取消メッセージ イベント(A12) 117
  6.3.7.      ADT/ACK退院/来院終了(A03)の取消メッセージ イベント(A13) 117
  6.3.8.      ADT/ACK 患者の外出・外泊開始メッセージ イベント(A21) 119
  6.3.9.      ADT/ACK 患者の帰院メッセージ イベント(A22) 119
  6.3.10.    ADT/ACK 患者情報の関連付けメッセージ イベント(A24) 120
  6.3.11.    ADT/ACK 個人情報の追加メッセージ イベント(A28) 121
  6.3.12.    ADT/ACK 個人情報の更新メッセージ イベント(A31) 123
  6.3.13.    ADT/ACK 患者情報の関連付けの解除メッセージ イベント(A37) 124
  6.3.14.    ADT/ACK 患者情報のマージ-患者IDリストメッセージ イベント(A40) 125
  6.3.15.    ADT/ACK 患者IDリストの変更メッセージ イベント(A47) 126
  6.3.16.    ADT/ACK 患者の外出・外泊開始(A21)の取消メッセージ イベント(A52) 127
  6.3.17.    ADT/ACK 患者の帰院(A22)の取消メッセージ イベント(A53) 128
  6.3.18.    ADT/ACK 副作用情報の更新メッセージ イベント(A60) 129
7.    関連セグメント詳細.. 130
 7.1.     AL1 - Patient Allergy Information Segment 患者アレルギー情報セグメント... 130
 7.2.     ERR - Error Segment エラーセグメント... 132
 7.3.     EVN - Event Type Segment イベントタイプセグメント... 135
 7.4.     IN1 - Insurance Segment 保険セグメント... 137
 7.5.     MSA - Message Acknowledgment Segment メッセージ応答セグメント... 145
 7.6.     MSH - Message Header Segment メッセージ・ヘッダ・セグメント... 147
 7.7.     NTE - Notes and Comments Segment 注釈コメントセグメント... 155
 7.8.     PID - Patient Identification Segment 患者識別セグメント... 156
 7.9.     PV1 - Patient Visit Segment 来院情報セグメント... 164
 7.10.       QAK - Query Acknowledgment Segment 照会応答セグメント... 174
 7.11.       RCP - Response Control Parameter Segment 応答コントロールパラメータセグメント    176
 7.12.       TQ1 - Timing/Quantity Segment タイミング/数量セグメント... 178
付録‐1. メッセージ例.. 183
付録‐2. 作成者名簿.. 199

 

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