JAHIS標準07-002
JAHIS生理検査データ交換規約Ver.1.0

ま え が き
 
生理機能検査とは、血液、尿など検査を行う検体検査とは異り、生体に装着された電極やセンサーから直接取り込み、記録や表示を行う検査であり、心電図、脳波、呼吸などの検査がある。しかし、HL7では心電図の記述など一部の検査のガイドはみられるが生理機能検査データ交換においてはほとんどサポートされていない。例えば心電図検査メッセージに関しても、その記述には生理学、機器・信号処理、臨床診断に関する知識、経験を必要とし、それらの情報をメッセージ交換として利用することは容易でない。そのため、そのほとんどは機器メーカや専門メーカによる独自規格で処理されているにすぎない。生理機能検査の業務における、いわゆるオーダエントリーシステムや電子カルテなどのシステム開発が進むにあたり、生理検査結果の相互利用性の要求が高まり、標準化が必須の状況になってきた。それらの要請に沿い、保健医療福祉情報システム工業会メッセージ交換委員会では、HL7バージョン2.5に基づいて各種生理検査情報交換の規約を開発することとなった。また心電図や脳波などの医用波形はMFER(Medical waveform Format Encoding Rules:ISO TS11073-90201)を用いることで、医用波形などの特殊な専門性はMFERに委ねることができ、生理検査情報の取り扱いは容易になり、広く利用が期待できる。本規約が医療資源の有効利用、保健医療福祉サービスの連携・向上を目指す医療情報標準化とデータ交換円滑化に多少とも貢献できれば幸いである。
2007年8月
保健医療福祉情報システム工業会
メッセージ交換委員会

目 次

1. はじめに..  6
 1.1. 引用するHL7規格について… 6
2. HL7概要.. 7
3. 主な用語.. 9
4. 生理検査.. 11
 4.1. 生理検査概要… 11
  4.1.1. 生理検査室での生理検査項目… 11
  4.1.2. 生理検査室以外(病棟等)で発生する生理データ… 12
 4.2. 生理検査システム構成イメージ… 13
  4.2.1. データ交換規約の対象範囲… 13
5. HL7メッセージ記述概要.. 15
 5.1. HL7メッセージについて… 15
 5.2. フィールドについて… 15
  5.2.1. (セグメント内のフィールド)位置… 15 
  5.2.2. 最大長… 16
  5.2.3. データタイプ(データ型)… 16
  5.2.4. オプション指定… 16
  5.2.5. 反復… 16
  5.2.6. テーブル… 17
  5.2.7. ID番号… 17
  5.2.8. 名称… 17
 5.3. Message Delimitersメッセージ区切り文字… 18
Delimiter values 区切り文字の値.. 18
6. 生理検査依頼・検査結果メッセージ構文.. 20
 6.1. メッセージ… 20
  6.1.1. メッセージ構造… 20
  6.1.2. メッセージ処理規則… 20
 6.2. 患者情報照会(QRY/ADR) 21
  6.2.1. QRY/ADR^QRY_A19 – 患者情報の問合せ イベント(A19)… 21
QRY/ADR  患者情報照会メッセージ.. 21
 6.3. 患者情報通知(ADT/ACK)  21
  6.3.1. ADT/ACK 患者管理メッセージ イベント(A01、A02、A03,A04、A05、A06、A07、A08、A10、A11、A12、A13)  22
ADT/ACK  患者管理メッセージ.. 22
 6.4. 生理検査依頼(OMG/ORG)  23
  6.4.1. OMG/ORG 検査依頼オーダ イベント(O19/O20)  23
 6.5. 生理検査依頼照会(OSQ/OSR)  24
  6.5.1. OSQ/OSR – 生理検査依頼照会 イベント(Q06)…  24
OSQ  生理検査依頼照会メッセージ..  24
OSR  生理検査依頼照会応答メッセージ..  24
 6.6. 生理検査結果照会(QRY/ORF)  25
  6.6.1. QRY/ORF – 生理検査結果の照会 イベント(R02,R04)…  25
QRY/ORF  生理検査結果照会メッセージ..  25
 6.7. 生理検査結果(ORU/ACK)  25
  6.7.1. 生理検査結果 (ORU/ACK) イベント(R01)…  26
ORU/ACK   生理検査結果メッセージ..  26
7. セグメント..  30
 7.1. セグメント詳細仕様…  30
  7.1.1. MSH ‑ メッセージ・ヘッダ・セグメント…  30
  7.1.2. MSA ‑ メッセージ アクノレッジ セグメント…  35
  7.1.3. ERR – エラーセグメント…  36
  7.1.4. PID – 患者識別セグメント.  39
  7.1.5. PV1 ‑ 来院情報セグメント…  47
  7.1.6. AL1 – アレルギー情報セグメント…  58
  7.1.7. QRD-オリジナル-スタイル照会定義セグメント…  59
  7.1.8. ORC –共通オーダセグメント…  63
  7.1.9. TQ1 – タイミング/数量セグメント…  79
  7.1.10. OBR-検査要求セグメント…  83
  7.1.11. OBX-検査結果セグメント…  89
  7.1.12. NTE ‑注釈・コメントセグメント…  96
  7.1.13. QRF-オリジナルスタイル照会 フィルターセグメント…  97
8. Data types データ型..  100
 8.1. データタイプ詳細仕様…  100
  8.1.1. CE – コード化された要素…  100
  8.1.2. CNE – 例外のないコード化…  100
  8.1.3. CNN – 簡略化された複合ID番号と名称…  100
  8.1.4. CQ – 単位付き複合量…  101
  8.1.5. CWE – 例外ありコード化…  101
  8.1.6. DR – 日付/時刻範囲…  101
  8.1.7. EIP – 実体識別子ペア…  102
  8.1.8. FN – 姓…  102
  8.1.9. FT – 整形済みテキストデータ…  102
  8.1.10. ID – HL7で定義された表のコード化された値…  103
  8.1.11. IS – 使用者定義表のコード化された値…  103
  8.1.12. NM – 数値…  103
  8.1.13. MO – 金額…  103
  8.1.14. MOC – 金額および請求コード…  104
  8.1.15. NDL – 日付と位置を伴う名前…  104
  8.1.16. PL – 人の位置…  104
  8.1.17. PRL – 親結果リンク…  105
  8.1.18. PT – 処理タイプ…  105
  8.1.19. RI – 繰り返し間隔…  106
  8.1.20. SI – 連番ID..  106
  8.1.21. SPS – 検体採取場所…  106
  8.1.22. ST – 文字列データ…  106
  8.1.23. TQ – 時間を決めた量…  107
  8.1.24. TS – タイムスタンプ…  107
  8.1.25. TX – テキストデータ…  107
  8.1.26. XAD – 拡張住所…  107
  8.1.27. XCN – 拡張複合ID番号および人の名前…  108
  8.1.28. XON – 拡張複合組織名称および識別子番号…  109
  8.1.29. XPN – 拡張人名…  109
  8.1.30. XTN – 拡張遠距離通信番号…  110
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