JAHIS標準009-00
在宅健康管理システム導入マニュアル(第2版)

概要

 急速に高齢化が進行する社会を迎える中で、壮年者や高齢者自身が積極的に健康作りや健康管理を行うことにより、寝たきりにならず、健康で快適な生活が送れるようにすることが重要である。
 また、不幸にして寝たきりになった場合に備えて、地域の保健・医療・福祉の連携のとれた情報やケア体制の整備が必要となる。
 このような状況下で、在宅の壮年者や高齢者を支援する双方向の映像、音声を含む情報システムは、保健・医療・福祉の分野で、在宅健康管理・指導、疾病兆候早期発見、要介護者の病状把握・指導、介護者の健康管理等、遠隔(在宅)医療を含む様々な形での支援が必要となる。
 在宅健康管理システムは、壮年者、高齢者、要介護者等利用者の健康管理を中心とした支援を行うことを狙いとしたもので、家庭にバイタルセンサ、TV電話と映像を含むこれらのデータを送信する通信機器を置き、この機器と自治体の健康管理センター、在宅介護支援センターや医療機関の診療所等(以下、単にセンターという)とを通信回線で結び、血圧、脈拍、心電図等の生体情報や双方向の映像、音声情報のデータをセンターに送ります。センターでは血圧の変化や心電図の変化を医師や保健師に診てもらい、映像や音声で利用者の様子を確認しながら健康等に関する適切な指導を行うことができるようにしたものである。

 本書は、この在宅健康管理システムの機能をご紹介するとともに、その有効性や導入までのステップ等についてまとめたものであり、保健・医療・福祉分野において、導入をご検討されている機関に対する導入手引書として、および未検討の機関に対する製品の認知・導入啓蒙書として作成しました。
 本書が在宅健康管理システムを検討・導入される上で、広く活用されることを願っています。

在宅ケア支援システム検討WG
平成15年2月

目 次

はじめに 
第1章 高齢化社会と行政の施策
 1.1 高齢化社会の到来
 1.2  健康管理に関する政府の方針
 1.3  健康日本21における行政機関の役割
第2章 健康管理の有効性
 2.1 概要
 2.2 在宅健康管理システムとは
 2.3 導入地域の状況
第3章 在宅健康管理システムの概要
 3.1 システムの目的(定義)
 3.2 システムの概要
 3.3 システムの特徴
 3.4 システムの構成
 3.5 導入効果
第4章 導入までのステップ
 4.1 実施体制の組織化
 4.2 システム挿入の検討
 4.3 システム運用の評価
第5章 保健医療福祉情報システム工業会の標準化推進
 5.1 標準化の背景
 5.2 標準化の範囲と過程
 5.3 標準化した通信情報とデータ通信仕様
 5.4 今後の標準化について
おわりに 

付録 関連システムと概要
 付.1 在宅医療支援システム
 付.2 在宅介護支援システム

 
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