JAHIS標準004-00
JAHIS処方データ交換規約Ver.1.0

概要

 国内においては、従来より病院情報システム(HIS)と自動調剤システム間のデータ交換において、メーカ間での統一はもとより、同一メーカ内においても統一されておらず、導入ユーザによってその仕様が異なり、接続するにあたり多くの手間を要している。
 日本保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は、この問題に対処すべく、部門システム委員会においてデータ交換項目の標準化の検討を行ってきた。
 また、この問題とは別に、地域連携、病診連携等で病院内外での処方データ交換の必要性が増してくるなか、処方データ交換規約の標準化が重要な課題となってきた。
 本規約は、そうした状況を踏まえ、部門システム委員会での検討結果をベースに、情報の受手を自動調剤システムには限定しない形で、広く処方データの交換に使える規約をめざし検討を行った。基本的にはHL7に準拠したが、MERIT-9をはじめとする関係規約との調整および、すでにJAHISより発行されている「臨床検査データ交換規約」との共通部分の整合性を考慮し、メッセージ交換委員会を中心にとりまとめた。
 検討作業は、まずHISと自動調剤システム間のデータ交換項目の事例の収集からはじめた。それぞれの事例から共通となる情報項目を抽出し、項目の意味や定義を明確にした。次にこれらの情報項目を HL7と対比し項目の適用性を確認した。
  その結果、HL7に適用できない日本独自の項目・用語については、すでに医療情報学会MERIT-9研究会で検討が進められていた、「MERIT-9 処方オーダ Ver.1.1」に準拠することとし、剤形・単位・頓用指示・追加用法・処方区分等の用語テーブルの共通化を行った。
 また、規約の理解促進のため、日本の処方箋の例をもとに、HL7でのコーディングを付記した使用例を付録として末尾に記述した。  この規約は、HL7 Ver.2.3 日本語版の4章オーダ入力を中心に、2章コントロールおよび3章患者管理から処方に関係する部分をとりまとめ、上記検討結果により日本の運用を考慮した内容を追加した。
  尚、Ver.2.3.1との相違点については、必要な範囲で整合をとるようにした。  この規約をまとめるにあたり、資料のご提供およびご助言をいただいた、関係団体と諸先生方に感謝いたします。
 
目 次

1. はじめに
2. HL7概要
3. 主な用語
4. 処方データ交換規約の対象範囲
5. 処方依頼メッセージ構文
 5.1 HL7メッセージについて
 5.2 処方依頼(ORM/ORR)
 5.3 患者情報照会(QRY/ADR)
 5.4 オーダ状況照会(OSQ/OSR)
6. 関連情報詳細?
 6.1 メッセージ区切り文字
 6.2 データ型
 6.3 数量/タイミング定義
 6.4 HL7以外のテーブル
7. 関連セグメント詳細
 7.1 MSH メッセージヘッダーセグメント
 7.2 NTE 注釈・コメントセグメント
 7.3 PID 患者識別セグメント
 7.4 PV1 来院情報セグメント
 7.5 AL1 患者アレルギー情報セグメント
 7.6 ORC 共通オーダーセグメント 
 7.7 RXO 処方オーダーセグメント
 7.8 RXR 投薬経路セグメント
 7.9 MSA メッセージ識別セグメント
 7.10 ERR エラー情報セグメント
 7.11 QRD 問合せ定義セグメント
付録. メッセージ使用例
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