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JAHIS在宅医療と介護間の情報連携におけるデータ項目仕様書 Ver.1.0
ま え が き
日本は、諸外国に例をみないスピードで高齢化が進行している。65歳以上の人口は、現在3,000万人を超えており(国民の約4人に1人)、2042年の約3,900万人でピークを迎え、その後も、75歳以上の人口割合は増加し続けることが予想されている。このような状況の中、団塊の世代(約800万人)が75歳以上となる2025年以降は、国民の医療や介護の需要が、さらに増加することが見込まれている。このため、厚生労働省においては、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもと、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進している。
また疾病を抱えても、自宅等の住み慣れた生活の場で療養し自分らしい生活を続けられるようにするためには、地域における医療・介護の関係機関が連携して、包括的かつ継続的な在宅医療・介護の提供を行うことが必要である。厚生労働省においては、関係機関が連携し、多職種協働により在宅医療・介護を一体的に提供できる体制を構築するための取組を推進している。
平成26年6月18日に成立した、医療介護総合確保推進法(地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律)は医療介護関連12法を一括改正したが、筆頭法である「地域における医療及び介護の総合的な確保の推進に関する法律」の 第1条には「地域包括ケアシステムの推進」が示されている。
また、平成26年9月12日に厚生労働省が告示した医療介護総合確保方針(医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針)のなかでは「情報通信技術(ICT)の活用」として、「質の高い医療提供体制及び地域包括ケアシステムの構築のためには、医療・介護サービス利用者も含めた関係者間での適時適切な情報共有が不可欠であり、ICTの活用は情報共有に有効な手段である」と示されている。
超高齢社会は、医療費の増大や生産人口の減少による国家活力減退、少ない若年層で多くの高齢者を支える高負担社会など暗い話題が多い一方で、現役時代にPCや携帯電話を使っていた団塊世代が高齢者の多くを占めるようになり、高齢者が医療介護連携機器を使いこなす新しい社会が開けるという期待もある。本技術文書が医療介護連携、在宅医療現場におけるICT利活用推進の一助になれば幸いである。
2015年3月
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
戦略企画部 事業企画推進室
目 次
1. はじめに... 1
1.1. 背景... 1
1.2. 目的... 3
1.3. 前提条件... 3
1.4. 策定方針... 3
1.5. 用語・略語の定義... 5
2. 適用範囲... 9
3. 想定される利用シーン... 10
3.1. 退院(在宅移行)時... 11
3.2. 介護サービス開始時... 13
3.3. 日々の在宅ケア時... 15
3.4. 緊急入院時... 17
4. 在宅医療介護連携データ項目仕様... 19
4.1. データ項目仕様の読み方... 19
4.2. データ項目仕様... 20
付録―1.参考文献... 38
付録―2.作成者名簿... 40