JAHIS技術文書15-103

JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド
レセコンポータル向け 臨床検査データ編 Ver.1.0


ま え が き
 

近年、国内では地域医療連携ネットワークの構築が進められ、150以上ものネットワークが稼働している。しかしながら、大部分のネットワークでは、地域医療連携に必要な医療情報を電子カルテシステムから出力することを前提とした構成となっている。そのため、電子カルテシステムを導入していない小規模診療施設では、中核病院等の診療情報を参照することが主となっており、医療機関間で相互に診療情報が交換/共有されているケースは少ない。

我が国においては、診療所などの小規模医療施設が多数を占めており、効果的な地域医療連携を実現するには、電子カルテが導入されていない小規模医療施設を含めて、広く遍く多くの医療機関が参加できることが望ましい。また、現状の医療連携の状況を踏まえるとそうした小規模医療施設にある情報にこそ中核病院から参照したいという需要がある。

このような背景を元に、平成25年度厚生労働省「小規模医療機関にかかるインターフェース企画策定及び検証に関する請負業務」において、小規模医療機関に広く普及しているレセプトコンピュータ等の持つ医療情報を地域医療連携において活用するための検討を行い、JAHIS技術文書「JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド レセコン編 Ver.1.0」を取りまとめた。そこでは、診療所のレセプトコンピュータの持つ処方情報や、薬局で実際に調剤した結果である調剤情報等を、オンラインレセプトの仕組みを活用して地域医療連携に活用できるようにしている。

地域医療連携では、処方・調剤情報だけではなく臨床検査結果も有用な情報であるが、臨床検査結果を診療所等のレセプトコンピュータで管理されているケースは少ない。しかしながら、ほとんどの小規模医療施設は、臨床検査を外部の臨床検査センターに委託しており、臨床検査センターでは検査結果データが電子化されている。そこで、臨床検査センターも含めた枠組みの中で、地域医療連携ネットワークに検査結果データを提供するための臨床検査データファイル仕様、及び、それらを標準規格に変換するための技術文書として本書をとりまとめた。

 

2015年12月
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
戦略企画部 事業企画推進室


目 次

1.    はじめに... 1
 1.1.     策定方針... 1
 1.2.     適用範囲... 2
 1.3.     各章の概要... 2
 1.4.     用語・略語の定義... 3
2.    地域医療連携用 検査結果CSVファイル仕様... 5
 2.1.     記録形式... 5
 2.2.     ファイル構成... 5
 2.3.     ファイルレイアウト... 7
 2.4.     コード仕様... 10
3.    連携用データの受信・変換・格納... 11
 3.1.     受信処理... 11
 3.2.     変換処理... 11
  3.2.1.     連携用データ(検査結果)の変換... 12
 3.3.     格納処理... 31
  3.3.1.     レセリポジトリの構造... 31
  3.3.2.     ファイル命名規則... 32
  3.3.3.     格納処理における留意点... 32
  3.3.4.     トランザクションストレージ記録仕様... 32
4.    参考文献... 33
付録―1.コード表... 34
付録―2.サンプル... 47
付録―3.作成者名簿... 51
 

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