JAHIS技術文書16-102

HIS向け医療材料マスターの提供ガイド Ver.1.1
注意:この標準類は旧版です。最新版はこちらをご覧ください。


ま え が き

 本ガイドは保健医療福祉分野において、外部から供給された医療材料マスターを病院、クリニックなどの医療機関内において各種情報システムに取り込む際の要求事項と実装方式を定めたものである。
 医療材料に利用されるコードや名称は、医療安全、トレーサビリティの確保において大変重要である。既にMEDIS-DC(一般財団法人 医療情報システム開発センター)の標準マスターとして提供されているが、カスタム製品や預託品の管理など中間業者の介入が必要なアイテムについては、中間業者からのマスター提供も視野に入れ医療材料マスターの提供者側と受け入れ側の実装上の仕様統一を図り、標準化の推進を目的とする。
 本ガイドに示す医療材料マスターのフォーマットにより、医療材料マスターの提供者に対し要求すべきポイントを容易に提示・確認することが出来る。その結果、部門システムである物流システムと病院情報システムの中核で基幹をなすオーダエントリシステムや電子カルテシステム等との連携を構築する作業の削減に寄与する事もその目的とする。
 さらに、医療機関情報システム上で考慮すべきローカルコードの設定等についてもより具体的な方法を纏める。
 医療材料のマネジメントは、病院やクリニックの経営面において重要なテーマである。既に薬品の分野では、同種同効品のコード化がされている。医療材料分野においては薬品分野ほどに進んでいないため、医療材料マスターの提供者側に医療機関側の要求事項を示すことにより、コスト分析に必要な分類コードの利活用と実装の標準化を推進する。
 保健医療福祉における情報システム分野の中でも、医療材料を取り扱うシステムは、取り扱うアイテム数がとりわけ多く、保険請求対象とならないアイテムも多いことから薬品や病名などと比較し標準化の浸透が遅れた分野である。アイテム数の多さに加え、JANコードやGTINなどのリソースマークの利用を考慮した場合、システム導入時や導入後のマスター管理に多大な労力を必要としていた。
 一方で、医療材料の標準コード等は関係機関の努力により整備され、特に中間業者とメーカー間においてはEDI化も推進されている。従って、中間業者との連携要求が高まることにより病院などの医療機関に対してもこれから徐々に利用が拡大していくと予想される。
保健医療福祉分野システム向けに医療材料マスターの提供ガイドを標準化することで、医療材料マスターの取り込む実装方式の統一化がはかれ、医療機関内における標準コードの利活用を促進する。
 なお、本ガイドは医療機器データベースの管理と普及を推進している「一般財団法人 医療情報システム開発センター」と「日本医療機器販売業協会システムプロジェクト」にご査読を頂き、趣旨にご賛同いただいたことを付記する。
 平成26年度の診療報酬改定により特定保険材料が処方箋により保険調剤薬局において交付できるようになった。併せ在宅診療向けの特定保険材料が設定されたため、フォーマットの一部を訂正するに至り改訂版を制定した。

 

2017年1月
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
医療システム部会 部門システム委員会


目 次

1.    適応範囲... 1
2.    引用規格・引用文献... 1
3.    主な用語の定義... 1
4.    医療材料マスターの構成... 3
 4.1.     医療材料マスターの供給イメージとフォーマット... 3
  4.1.1.     医療材料マスターの供給イメージ... 3
  4.1.2.     医療材料マスターのフォーマット. 5
 4.2.     医療材料マスターの取り込み概念と処理(案)... 9
5.    ローカルコードの利用ガイド... 11
 5.1.     ローカルコードを利用する想定ケース... 11
 5.2.     ローカルコードの付番方法... 11
6.    同種同効品などの分類について... 12

付録-1.   医療材料と医薬品の梱包インジケーターについて... 13
付録-2.   マスターレコードの補足説明(具体例)... 14
付録-3.   作成者名簿... 20
 

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