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(1)背景
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)では、医療情報のデータ交換を促進するために、
従来HL7 V2.5を利用したデータ交換規約を制定する活動を行ってきた。1999年10月に最初のデータ交換規約
を制定して以来、現在までに以下の9つの領域において制定してきた。
・臨床検査データ交換規約
・処方データ交換規約
・放射線データ交換規約
・生理検査データ交換規約
・病名情報データ交換規約
・内視鏡データ交換規約
・注射データ交換規約
・病理・臨床細胞データ交換規約
・放射線治療データ交換規約
各データ交換規約は、各領域の委員会やワーキンググループにて、個々の領域の事情に応じて規約の制定・改定
が行われてきた。
近年では、各領域を跨いでデータ交換を行うことが一般的となって、領域間共通の規約が求められるようになっ
てきた。そのため、各データ交換規約の共通内容を整理した本規約の制定を行った。
(2)制定の基本方針
本規約の制定では、各データ交換規約で重複している内容を記載し、その使い方の共通指針を整理することを基
本方針とした。具体的には下記内容である。
1)HL7の仕様・用語の説明
各データ交換規約での下記説明を対象としている。
・HL7概要
・主な用語
・HL7メッセージ、フィールド、メッセージ区切り文字、データ型
2)データ交換規約で制定するテーブルの命名規則
各データ交換規約で定義した固有のテーブルに対し、統一的な命名規則を定義した。
3)患者基本情報および入退転(ADT)のメッセージ構文
患者基本情報および入退転は各データ交換規約の領域で共通に利用されるため、本規約で定義した。
4)共通利用するセグメントの説明
各データ交換規約で共通的に利用され、かつ、利用方法に差異が少ない下記セグメントを記載した。
・AL1
・ERR
・EVN
・IN1
・MSA
・MSH
・NTE
・PID
・PV1
・QAK
・RCP
・TQ1
上記セグメントの各フィールドに対してJAHISデータ交換規約で共通なるOption指定を「Japan値」
として制定した。
5)患者基本情報および入退転(ADT)サンプルメッセージ
(3)今回の改定内容
今回の改定では、他のデータ交換規約で共通的に使用されている患者プロファイル項目を整理し、まとめる
対応をおこなっている。また、5章に節を新設し本規約における固有事項についてまとめた。
本規約は各データ交換規約の共通内容のみを記載しているため、各領域のシステム実装にあたっては、その
領域のデータ交換規約を併読する必要があることを留意いただきたい。
2020年4月
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
医療システム部会 相互運用性委員会
目 次
2. 使用しているHL7について.. 3
2.1. 概要.. 3
2.2. メッセージ.. 4
2.2.1. メッセージならびにメッセージ構成.. 4
2.2.2. HL7メッセージコーディング及び処理規則.. 4
2.2.3. 文字コードのサポート.. 5
2.3. フィールド.. 7
2.3.1. (セグメント内の)位置.. 7
2.3.2. 最大長.. 7
2.3.3. データ型.. 8
2.3.4. オプション指定.. 8
2.3.5. 反復.. 8
2.3.6. 表.. 8
2.3.7. ID番号.. 9
2.3.8. 名称.. 9
2.4. メッセージ区切り文字.. 10
2.4.1. テキストフィールドでのエスケープシーケンスの使用.. 10
2.4.2. エスケープ文字の例外的解釈.. 11
2.5. データ型.. 13
3. 主な用語.. 108
4. JAHIS標準テーブル.. 110
4.1. 命名規則.. 110
4.2. 共通編にて定義するJAHIS標準テーブル.. 110
4.3. JAHIS標準テーブル等を用いた患者プロファイルの表現.. 112
4.3.1. OBXセグメントに記載する患者プロファイル項目.. 113
4.3.2. 薬剤アレルギーのアレルゲンコード.. 114
4.3.3. 食物アレルギーのアレルゲンコード.. 114
5. 本規約の対象範囲.. 116
5.1. 本規約における固有事項について.. 116
5.1.1. HL7のバージョンについて.. 116
5.1.2. 文字コードについて.. 116
5.1.3. MLLP(Minimal Lower Layer Protocol)について.. 116
5.1.4. テキスト内の改行の表現方法について.. 117
5.1.5. マルチ文字セットをサポートするエスケープシーケンスについて 117
5.1.6. 各種セパレータの変更について.. 117
5.1.7. NTEセグメントについて.. 117
5.1.8. DSCセグメントについて.. 117
5.1.9. その他の固有事項.. 117
5.2. 対象範囲.. 118
6. メッセージ構文.. 120
6.1. 情報照会(QBP/RSP) 121
6.1.1. QBP 患者基本属性照会メッセージ イベント(Q22) 121
6.1.2. RSP 患者基本属性応答メッセージ イベント(K22) 121
6.1.3. QBP 患者基本属性及び所在照会メッセージ イベント(ZV1) 122
6.1.4. RSP 患者基本属性及び所在応答メッセージ イベント(ZV2) 123
6.2. 患者情報通知(ADT/ACK) 124
6.3. ADT/ACK 入院/来院の通知メッセージ イベント(A01) 125
6.3.1. ADT/ACK患者転送メッセージ イベント(A02) 126
6.3.2. ADT/ACK退院/来院終了メッセージ イベント(A03) 127
6.3.3. ADT/ACK 患者の登録メッセージ イベント(A04) 129
6.3.4. ADT/ACK 患者情報の更新メッセージ イベント(A08) 130
6.3.5. ADT/ACK入院/来院の通知(A01)の取消メッセージ イベント(A11) 131
6.3.6. ADT/ACK患者転送(A02)の取消メッセージ イベント(A12) 132
6.3.7. ADT/ACK退院/来院終了(A03)の取消メッセージ イベント(A13) 133
6.3.8. ADT/ACK 患者の外出・外泊開始メッセージ イベント(A21) 134
6.3.9. ADT/ACK 患者の帰院メッセージ イベント(A22) 135
6.3.10. ADT/ACK 患者情報の関連付けメッセージ イベント(A24) 135
6.3.11. ADT/ACK 個人情報の追加メッセージ イベント(A28) 137
6.3.12. ADT/ACK 個人情報の更新メッセージ イベント(A31) 138
6.3.13. ADT/ACK 患者情報の関連付けの解除メッセージ イベント(A37) 140
6.3.14. ADT/ACK 患者情報のマージ-患者IDリストメッセージ イベント(A40) 140
6.3.15. ADT/ACK 患者IDリストの変更メッセージ イベント(A47) 142
6.3.16. ADT/ACK 患者の外出・外泊開始(A21)の取消メッセージ イベント(A52) 143
6.3.17. ADT/ACK 患者の帰院(A22)の取消メッセージ イベント(A53) 143
6.3.18. ADT/ACK 副作用情報の更新メッセージ イベント(A60) 144
7. 関連セグメント詳細.. 146
7.1. AL1 - Patient Allergy Information Segment 患者アレルギー情報セグメント.. 146
7.2. ERR - Error Segment エラーセグメント.. 148
7.3. EVN - Event Type Segment イベントタイプセグメント.. 151
7.4. IN1 - Insurance Segment 保険セグメント.. 153
7.5. MSA - Message Acknowledgment Segmentメッセージ応答セグメント 161
7.6. MSH - Message Header Segment メッセージ・ヘッダ・セグメント 162
7.7. NTE - Notes and Comments Segment 注釈コメントセグメント 170
7.8. PID - Patient Identification Segment 患者識別セグメント.. 171
7.9. PV1 - Patient Visit Segment 来院情報セグメント.. 179
7.10. QAK - Query Acknowledgment Segment 照会応答セグメント 189
7.11. RCP - Response Control Parameter Segment 応答コントロールパラメータセグメント.. 191
7.12. TQ1 - Timing/Quantity Segment タイミング/数量セグメント 193
付録‐1. メッセージ例.. 198
付録‐2. 作成者名簿 216