JAHIS技術文書21-101

JAHIS看護データセット適用ガイド看護行為編Ver.1.0

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ま え が き
 
 

 一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)では、経済産業省からの委託を受けて、医療システム部会 相互運用性委員会 データ互換性専門委員会を中心に、医療情報の標準化にかかわる関係学会・団体の協力を得ながら、2004年度から2007年度にかけて「医療情報システムにおける相互運用性実証事業」を推進した。その際に従来開発してきた各種データ交換規約をもとに、電子カルテシステムの世代間、または異なるベンダシステム間での相互運用性の向上を目指し「JAHIS基本データセット適用ガイドラインVer.1.0」をまとめた。また、その後改良を重ね、現在はVer.3.0となっている。

 その一方で、看護情報については電子カルテシステムで管理する診療情報において重要な構成要素であるにも関わらず、電子カルテシステムの世代間、または異なるベンダシステム間での相互運用性は未だに低い状態である。一般財団法人 医療情報システム開発センターが作成し、2016年3月に厚生労働省標準規格として認定された「看護実践用語標準マスター」(以下「MEDIS看護マスタ」と記す)の開発・普及活動に病棟業務支援システム専門委員会として協力はしてきたが、実装に関する検討は不十分であり、電子カルテ委員会を通じて参加各社の看護支援システム担当に呼びかけ、応じた9ベンダで2019年12月、同専門委員会下に看護情報WGを発足し、看護情報の実装を踏まえた看護業務に関するデータのあり方を検討することにした。

 基本的な構成は「JAHIS 基本データセット適用ガイドライン」を手本としたが、看護情報については相互運用性を意識した検討が不足しており、データ交換規約作成以前の状態であったため、ユースケースを絞り、大量にデータが発生し、その継続性が重要であり、チーム医療に貢献できる「ケア情報」(ケアの計画~実施~記録において扱う情報)に絞り、計画、実施、記録においてベンダとして要件を整理し、データセット適用ガイドとしてまとめることにした。そのため、章構成やその内容が異なる部分があることは承知いただきたい。また、最初はJAHIS技術文書として発行し、利用を重ねつつ改版しながら最終的にはJAHIS標準を目指すこととした。

 本ガイドが電子カルテシステムの実装、看護領域における相互運用性の向上、そして臨床における医療情報システムの貢献に寄与すれば幸いである。

2022年1月
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
医療システム部会 部門システム委員会


目 次

1.  はじめに... 1
 1.1.  目的... 1
 1.2.  本ガイドの対象情報... 2
2.  主な用語と参照規格... 3
 2.1.  主な用語... 3
 2.2.  参照する外部の規格やマスタ... 4
3.  本ガイドにおける約束事項... 5
 3.1.  データ型... 5
 3.2.  本ガイドにおける定義表の説明... 6
 3.3.  エクスポート時のファイル仕様... 7
 3.4.  インポート時のファイル仕様... 9
4.  基本データセット... 10
 4.1.  ケア情報の構成... 10
 4.2.  データ粒度... 11
 4.3.  指示、タスク、実施の要件整理... 12
5.  指示情報... 15
 5.1.  データセット定義... 15
 5.2.  使用例... 29
6.  タスク情報... 30
 6.1.  データセット定義... 30
7.  実施情報... 37
 7.1.  データセット定義... 37
8.  懸案事項... 47
 8.1.  MEDIS看護実践用語標準マスターについて... 47
9.  本文図表目次... 49
 9.1.  表... 49
 9.2.  図... 49

付録-1.利用する公的マスタと利用範囲について... 50
付録-2.指示・タスク・実施の分析において洗い出した全特性... 51
 付録2.1. 指示・タスク・実施の関係... 52
 付録2.2.「指示」の特性分析... 53
 付録2.3.「実施」の特性分析... 57
 付録2.4.「タスク」の特性分析... 60
付録-3.データ移行の対象や生成に関して... 62
付録-4.エクスポートデータの管理ID... 65
付録-5.エクスポートのデータサンプル... 66
付録-6.作成者名簿... 72
 

 

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