近年、急速なデジタル化が進展し、医療および健康分野においてその影響がますます顕著になっています。特に医療情報のデジタル化とその利活用が注目されており、政府からは「医療DXの推進」や「Public Medical Hubの開発」、そして「プログラム医療機器への積極的な実装」など、今後の方針が示されています。このような変革には技術革新や規制改革が深く関与しており、我々もその大きな潮流に積極的に対応していく必要があります。 　また、健康意識の高まりや高齢化社会の進展に伴い、健康管理や医療サービスへの需要が拡大しています。このため、デジタルヘルスケアやテレメディシンなどの新たなサービスが求められています。我々はこうした社会的課題に対応するために、保健医療福祉情報システムのトレンドに敏感に対応することが重要です。

　ＪＡＨＩＳでは、保健医療福祉情報システムを通じて健康で豊かな国民生活を支えることを目指し、「データ循環型社会の実現」をコンセプトに「２０３０ビジョン」を掲げています。このビジョンを実現するために、２０３０年までの健康・医療・介護分野の社会環境の変化を考慮し、JAHIS会員各社が提供する保健医療情報システムや保有する仕組みが、日本の将来の健康長寿社会にどのように貢献できるかを構想しています。

　２０３０ビジョンの達成に向けて、ＪＡＨＩＳは健康・医療・介護データの標準化と安全な運用を支えるための医療安全機能の強化に最優先で取り組むことを考えています。

　具体的には、政策に対する戦略的な発信を行い、標準類や実装ガイドの整備と普及促進を行います。また、会員共通の課題に迅速に対応し、会員サービスの充実を図ります。さらに、ヘルスケアICT市場の把握や新規市場の調査・支援を行い、会員満足度の向上を図ります。最後には、業界代表として積極的に対外活動に参画し、JAHISブランドの向上に努めます。また、コンプライアンス体制の維持・強化や運営基盤の強化、必要な人材の確保も行っていきます。

　変化する社会環境に適応しつつ、行政や関連団体との連携を通じて、ＪＡＨＩＳの事業運営を推進していきたいと考えています。皆様と共に、より良い未来を築くために、今後ともご支援とご協力をお願い申し上げます。

一般社団法人　保健医療福祉情報システム工業会
運営会議議長　岩津　聖二

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