JAHIS標準14-001

JAHIS放射線データ交換規約Ver.3.0C

注意:この標準類は旧版です。最新版はこちらをご覧ください。


ま え が き

 これまで病院情報システム(HIS)と放射線部門システム(RIS-PACS/Report)間のデータ交換においては、メーカ間での統一はもとより、同一メーカにおいても導入施設によりその仕様が異なり、接続するにあたり多くの費用と時間を要していた。また、医用画像の標準規格であるDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に比べ、HL7(Health Level Seven)の実装事例もほとんどなかった。
 そこで、一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)では、この課題を解消すべく、病院情報システム(HIS)と放射線部門システム(RIS-PACS/Report)とのデータ交換の仕組みを検討した。まず、すでにJAHIS より発行されていた「臨床検査データ交換規約」や「処方データ交換規約」との共通部分の整合性に考慮しながら、HL7 Ver2.4 準拠の「放射線データ交換規約 Ver.1.0」を作成した。HL7の第4 章オーダ入力を中心に、第2 章コントロールおよび第3 章患者管理などから放射線分野に関係する部分をまとめている。わが国の実情に合わない部分や解釈が曖昧になりやすい部分については放射線分野に限定した注釈を加え、2003 年10 月にJAHIS 標準として承認された。また2005 年4 月には、Ver.1.0に対し汎用の検査項目コードとしてJJ1017 Ver3.0 を全面採用した「放射線データ交換規約 Ver.1.1」を作成している。
 「放射線データ交換規約 Ver.2.0」では、HL7 Ver2.5 に完全準拠するようにメッセージの見直しを行うと共に、対象範囲として実施情報(会計情報)や下流(RIS-PACS/Report 間)のインタフェースを追加した。さらに、IHE-J(Integrating the Healthcare Enterprise – Japan)の活動に合わせて、コネクタソンや導入施設でのスムーズな実装を考慮した改訂を行った。2012 年4 月には、Ver.2.3 として、臨床検査や内視鏡などの他のJAHIS 標準類(最新版)との整合性を取り、文面の見直しを実施した。
 2013 年6 月に、IHE の国際規格においても、HL7 Ver2.5 をベースとした新しいプロファイルSWF.b が日本提案により整備され、米欧でも2015 年コネクタソンで全面的にこれを採用することになった。本書「放射線データ交換規約Ver.3.0C」では、この国際的な流れを背景に、一部内容を見直し、さらにデータ交換規約共通編を踏まえた文章、記載フォーマットの改訂を実施した。
 本規約をまとめるにあたり、ご協力いただいた関係団体や諸先生方に深く感謝する。本規約が医療資源の有効利用、保健医療福祉サービスの連携・向上を目指す医療情報標準化とデータ交換円滑化に多少とも貢献できれば幸いである。

2014 年6 月
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
相互運用性委員会
検査システム委員会


目 次

1. はじめに … 1
2. 使用しているHL7 について … 2
 2.1 概要 … 2
 2.2 メッセージ … 2
 2.3 フィールド … 2
 2.4 メッセージ区切り文字 … 2
 2.5 データ型 … 2
 2.6 各種コメント … 3
3. 主な用語 … 8
4. JAHIS 標準テーブル … 9
 4.1 患者プロファイルコードについて … 9
 4.2 用語・コードの扱いについて … 11
5. 放射線データ交換規約の対象範囲 … 13
 5.1 基本方針 … 13
 5.2 対象範囲 … 13
6. 放射線検査依頼・検査結果メッセージ構文 … 15
 6.1 患者情報照会(QRY/ADR) … 16
 6.2 患者情報通知(ADT/ACK) … 16
 6.3 放射線検査依頼(OMG/ORG) … 17
 6.4 放射線検査通知 (OMI/ORI) … 19
 6.5 放射線検査結果照会(QRY/ORF) … 21
 6.6 患者到着通知 (ORU/ACK) … 23
 6.7 放射線検査実施報告(ORU/ACK) … 24
7. 関連セグメント詳細 … 26
 7.1 AL1 – PATIENT ALLERGY INFORMATION SEGMENT 患者アレルギー情報セグメント… 27
 7.2 ERR – ERROR SEGMENT エラーセグメント … 27
 7.3 EVN – EVENT TYPE SEGMENT 事象型セグメント … 27
 7.4 IPC – IMAGING PROCEDURE CONTROL SEGMENT 画像手続き制御セグメント … 28
 7.5 MSA – MESSAGE ACKNOWLEDGMENT SEGMENT メッセージ応答セグメント … 30
 7.6 MSH – MESSAGE HEADER SEGMENT メッセージヘッダセグメント … 30
 7.7 NTE – NOTES AND COMMENTS SEGMENT 注釈コメントセグメント … 30
 7.8 OBR – OBSERVATION REQUEST SEGMENT 検査要求セグメント … 31
 7.9 OBX – OBSERVATION/RESULT SEGMENT 検査結果セグメント … 38
 7.10 ORC – ORDER COMMON SEGMENT 共通オーダセグメント … 56
 7.11 PID – PATIENT IDENTIFICATION SEGMENT 患者識別セグメント … 73
 7.12 PV1 – PATIENT VISIT SEGMENT 来院情報セグメン… 73
 7.13 QRD – QUERY DEFINITION SEGMENT 問合せ定義セグメント … 74
 7.14 QRF – QUERY FILTER SEGMENT 問合せフィルタセグメント … 77
 7.15 TQ1 – TIMING/QUANTITY タイミング/数量セグメント … 79
 7.16 ZE1 – PERFORMED DATA SEGMENT 実施情報セグメント … 83
 7.17 ZE2 – RADIATION DOSE SEGMENT 曝射情報セグメント … 85

付録‐1. 放射線データ交換規約メッセージの例 … 86
付録‐2. JJ1017 VER. 3.1 の使用方法 … 191
付録‐3. 作成者名簿 … 193
V2.3 からの改訂箇所 … 194

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