JAHIS標準15-006

JAHIS病理診断レポート構造化記述規約Ver.1.0
注意:この標準類は旧版です。最新版はこちらをご覧ください。


ま え が き

医療現場において、診療記録、検査報告書、診療情報提供書、各種サマリ等多くの診療文書が使用されている。病理・臨床細胞部門において発生する多くの診療文書は、従来紙上で記述されるか、ワープロソフトや各ベンダーの独自形式での電子化あるいはPDFといった形式で作成されていることが多かった。ICT技術の発展と共にさらに電子的な情報共有によりそれら診療文書の情報を治療に活用したり、さらにはIT技術を利用することで人的ミスによる医療事故を未然に防止したりすることへの期待が高まっている。この人的ミスの原因には、診療情報や検査結果が対象部門に十分に伝わらなかったため、それらが適切な治療に結びつかなかったことが含まれる。これらについて、標準化された医療情報交換により診療部門間及び医療機関間の正確な情報連携を実現し、システム間の情報連携がスムーズで確実に行えることが期待されてきた。

 これらに対応するためHL7 CDA(Clinical Document Architecture)による実装も試みられているが、CDAによる記述の裁量範囲が広いため、同じような目的の診療文書が異なった仕様で実装されてしまう可能性が考えられる。そのため、共通であるべき情報は可能な限り共通仕様としてまとめ、共通の考え方で実装することを目的に規約共通編(「JAHIS診療文書構造化記述規約 共通編Ver.1.0」)が規定された。

 これらをふまえ、病理診断レポートについても規約共通編の内容を精査した上で、国内(Realm=JP)における病理診断レポート固有の仕様をとりまとめ、規約共通編と組み合わせて利用することを前提に本規約を作成した。

 医療のICT化に期待された様々な有効性を実現するためにお役立て戴くことを期待している。

 

2015年12月
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
医療システム部会 検査システム委員会


目 次

1. 病理診断レポート概要... 1
 1.1 本規約と規約共通編の位置付けについて... 1
2. 主な用語... 1
3. CDAヘッダ部... 2
 3.1. CDAヘッダ属性部... 2
  3.1.1. 固有の制約... 2
 3.2. ドキュメントヘッダ部... 3
  3.2.1. 固有の制約... 3
4. CDAボディ部... 6
 4.1. セクション概要... 6
 4.2. セクション定義... 8
  4.2.1. 外部参照 External Reference. 8
  4.2.2. 現病歴 History of Present Illness. 9
  4.2.3. 既往歴 History of Past Illness. 10
  4.2.4. 家族歴 Family History. 11
  4.2.5. 社会歴 Social History. 12
  4.2.6. 感染症 Infection. 13
  4.2.7. 合併症 Complications. 14
  4.2.8. 主訴 Chief Complaint. 15
  4.2.9. 来院理由 Reason for Visit. 16
  4.2.10. 紹介理由 Reason for Referral. 17
  4.2.11. 検査理由 Reason for test or procedure. 18
  4.2.12. 中断理由 Reason stopped. 19
  4.2.13. バイタルサイン Vital Signs. 20
  4.2.14. 臨床情報 Clinical Information. 21
  4.2.15. 検体情報 Specimen Type. 23
  4.2.16. 肉眼所見 Macroscopic Observation. 24
  4.2.17. 顕微鏡所見 Microscopic Observation. 25
  4.2.18. 診断 Diagnosis. 27
  4.2.19. 採取法/検体処理法 Procedure Step. 29
付録‐1. 作成者名簿... 30
改訂履歴... 31
 

 

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