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JAHIS処方データ交換規約 Ver.3.0C
ま え が き
従来よりHIS(病院情報システム)と病院内部門システム間のデータ交換において、メーカ間での統一はもとより、同一メーカにおいても導入ユーザによってその仕様が異なり、接続する際には多くの手間と時間を要していた。また、地域連携や病診連携等で病院内外でのデータ交換の必要性が求められる中、処方データ交換規約の策定が重要な課題となってきた。そうした状況を踏まえ、一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)では、これまで、2001年9月に「処方データ交換規約 Ver.1.0」、2003年2月にHL7 Ver.2.4に準拠した「処方データ交換規約 Ver.1.1」、2008年3月にHL7 Ver.2.5に準拠した「処方データ交換規約 Ver.2.0」を発行してきた。
その後、内服薬処方せんの記載方法に関する課題やその標準化などを目的として、厚生労働省は「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会」を発足し、2010年1月に内服薬処方せんの在るべき姿とそこに至る段階的方策として「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書」が公開された。本報告書を受けて、JAHISでは、2011年6 月にJAHIS技術文書として「処方オーダシステムに関する共通仕様化ガイドライン」を発行した。
2012年2月に日本医療情報学会標準(JAMI標準)として、処方オーダリングシステム用標準用法「服用回数、服用タイミングに関する標準用法マスタ」(以下、JAMI標準用法マスタ)が公開された。さらに、2012年3月に厚生労働省より処方せんに記載する一般名処方の標準的な記載として「一般名処方マスタ」が公開された。このような状況を踏まえて、JAMI標準用法マスタに対応した「処方データ交換規約Ver.2.1」を2013年5月に制定した。
その後、2015年7月に各JAHISデータ交換規約にて共通的に取り扱われている内容を分冊化した「JAHISデータ交換規約 (共通編) Ver.1.1」が策定された。2016年2月には、JAMI標準用法マスタに注射用法、スケジュール用法、不均等投与などの用法を追加した「処方・注射オーダ標準用法規格」(以下、JAMI標準用法規格)が公開された。そこで、「JAHISデータ交換規約 (共通編)」や「JAHIS注射データ交換規約」等の最新のJAHIS標準との整合性をとりながら、「JAMI標準用法規格」に対応し、対象範囲として新たに処方実施情報などを追加した本規約をとりまとめた。
「JAHIS処方データ交換規約」は2014年12月、HELICSの医療情報標準化指針に採択され、その後、2016年3月、厚生労働省標準規格に認定された。本規約に基づくインターフェースが多くのシステムに実装され、処方データ交換の標準化および普及に貢献できれば幸いである。
2017年7月
一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会
医療システム部会 相互運用性委員会
目 次
1. はじめに.. 1
2. 使用しているHL7について.. 2
2.1 概要... 2
2.2 メッセージ... 2
2.3 フィールド... 2
2.4 メッセージ区切り文字... 2
2.5 データ型... 2
3. 主な用語.. 3
4. JAHIS標準テーブル.. 4
4.1 処方データ交換規約定義のテーブル... 4
4.2 その他のHL7定義以外のテーブル... 6
5. 処方データ交換規約の対象範囲.. 7
6. 処方関連メッセージ構文.. 9
6.1 処方指示情報通知(RDE/RRE) 9
6.2 処方実施情報通知(RAS/RRA) 11
6.3 患者所在情報照会(QBP/RSP) 14
6.4 処方指示情報照会(QBP/RSP) 15
6.5 処方実施情報照会(QBP/RSP) 16
7. 関連セグメント詳細.. 18
7.1 AL1 - Patient Allergy Information Segment 患者アレルギー情報セグメント... 19
7.2 CTI - Clinical Trial Identification Segment 治験識別セグメント... 19
7.3 ERR - Error Segment エラー情報セグメント... 20
7.4 IN1 - Insurance Segment 保険セグメント... 20
7.5 MSA - Message Acknowledgment Segment メッセージ識別セグメント... 20
7.6 MSH - Message Header Segment メッセージヘッダーセグメント... 20
7.7 OBX - Observation/Result Segment 検査結果セグメント... 21
7.8 ORC ‑ Order Common Segment 共通オーダセグメント... 26
7.9 PID - Patient Identification Segment 患者識別セグメント... 47
7.10 PV1 - Patient Visit Segment 来院情報セグメント... 47
7.11 QAK - Query Acknowledgment Segment 照会認知セグメント... 47
7.12 QPD - Query Parameter Definition Segment 照会パラメータセグメント... 48
7.13 RCP – Response Control Parameter Segment 応答コントロールパラメータセグメント... 49
7.14 RXA - Pharmacy/Treatment Administration Segment 薬剤/処置投薬セグメント... 50
7.15 RXE - Pharmacy/Treatment Encoded Order Segment 薬剤/処置コード化したオーダセグメント 57
7.16 RXR - Pharmacy/Treatment Route Segment 投薬経路セグメント... 72
7.17 TQ1 - Timing/Quantity Segment タイミング/数量セグメント... 76
付録-1.処方区分、用法ごとのフィールドへのセット内容.. 92
付録-2.JAMI標準用法規格における補足用法コードの使用方法とその例.. 93
(1)........................................................................................................................ 日数間隔指定... 93
(2)............................................................................................................................... 曜日指定... 93
(3)............................................................................................................................... 日付指定... 93
(4).............................................................................................................. 指定期間内回数指定... 94
(5)................................................................................................................................... 不均等... 94
付録-3.メッセージ使用例.. 96
(1)内服薬... 98
(2)外用薬... 104
(3)坐薬... 107
(4)麻薬... 110
(5)頓服薬... 113
(6)漸増(漸減)投与... 116
(7)隔日投与... 121
(8)曜日指定投与... 124
(9)不均等投与... 127
(10)交互投与... 130
(11)在宅自己注射... 134
(12)処方実施... 137
(A-1)患者情報の照会... 140
(A-2)患者情報の応答... 140
(B-1)処方依頼情報照会メッセージ... 141
(B-2)処方依頼情報応答メッセージ... 142
(C-1)処方実施情報照会メッセージ... 149
(C-2)処方実施情報応答メッセージ... 150
付録-4.作成者名簿.. 153
改訂履歴.. 154